トランザクション分離レベル・省略値の違い
以前は、IBM i(AS/400)上のZend Coreにデプロイしてテストやリモートデバッグをしていたのですが、最近は、Windowsのローカル環境に立てた、Zend Server for Windowsでテストやデバッグをしてから、AS/400にデプロイしています。一人チーム開発なので、人のソースとマージしたりする事もないですし、この程度の事でも、実はソースコードのバックアップの代わりにもなったりします。(※ちゃんと正規のバックアップはしていますよ。モチロン...。)
Zend Server for Windowsを使っていて、気づいた違いについてメモを残しておきます。(「今頃、遅いよ!」と言うツッコミは無しの方向で...(-_-;)ゞ)
普段AS/400をメインで使っていると、STRSQLやSQLRPGも省略のトランザクション分離レベルが「*NC(即時コミット)」です。Zend Core for i5を使っていても省略は即時コミットです。たまーに、VBやらでODBC使うときは、「*CS(コミットされていない読取)」と言うことを思い出して、ODBCドライバの設定を「*NC」にするか、ジャーナル処理を「STRJRNPF」で開始しておきます。そうしないと、追加更新時に、”ジャーナル処理されてないお。”エラーで怒られます。ちなみにADOだと意識しなくても追加更新できるので省略が「*NC」と言うことになってるのだと思います。
■ODBCの省略
本題ですが、Zend Core i5からZend Server for Windowsに移しただけで、特に動作なども問題のないアプリだったので、何も考えずテストしていたら、エントリー系のレコード追加更新で何処かで見たようなメッセージで怒られました。こんな感じのメセージです。
[IBM][CLI Driver][AS] SQL7008N REXX 変数 "TABLE NAME " に矛盾したデータが入っています。 SQLSTATE=55019 SQLCODE=-7008
「ジャーナル処理されてないよ。」というストレートなメッセージにして欲しいのですが、どうやらこのメッセージが”ジャーナル処理されてないよ”という事みたいで、DB2 ConnectのCLI接続もODBCと同様に省略が「*NC」ではなく「*CS」の様です。
- トランザクション分離レベルの設定で考えられそうな対処方法
まず(1)の方法ですが、対処としはジャーナルを作る事も、それはそれでアリですが、通常それ程クリティカルな要件で無い場合に、ジャーナル処理はレシーバーのオモリやリソースの消費も含めて考えると、必要では無いケースもあります。方法としては「CRTJRNRCV」→「CRTJRN」→「STRJRNPF」でジャーナルを開始します。確かにジャーナルがあると、万が一の時に、ある時点に戻る事が出来るので、トラブル時には威力を発揮してくれる事は確かでしょうが...。
■STRJRNPF
次に(2)の「db2cli.ini」でオプションを追加して、データベースカタログ単位で、分離レベルの省略を設定する事が可能です。以下が設定例です。これが一番簡単で、i5とも同期が取れるので、今回はこれを採用しました。
■「db2cli.ini」
; TXNISOLATION=1|2|4|8|32(UR|CS|RS|RR|NC 省略はCS。32はDB2 for iの即時コミット。) [カタログ名] DBALIAS=カタログ別名 TXNISOLATION=32
テキストファイルを直接変えてもいいですし、DB2の構成アシスタントで、選択(S)メニューのCLI設定でも変更する事が出来そうです。(自分は調子悪くてDB2のGUI画面は砂時計のまま動きませんでした。)
(3)と(4)は直接SQLの発行で、指定する方法ですが、(3)に関しては上手くいくかと思いきや、駄目でした。AS/400のSTRSQL等では勿論実行できますし、i5版ですとそういった解説もあるので、もしかしたらWindows版のDB2 Connectを使っているなど、実行環境による差異が幾分ありそうです。ちなみに返されたメッセージは以下の通り、
[IBM][CLI Driver][AS] SQL0525N セクション = "1" パッケージ = "SYSSH200 " 整合性トークン = X"NULLID" のバインド時にエラーが発生したため、SQL ステートメントは実行できません。 SQLSTATE=51015 SQLCODE=-525
(4)は問題なく実行されました。ちなみに「php.ini」の”ibm_db2.i5_allow_commit ”は”0(no commit)”になっていますが、(※「i5_allow_commit」は、OS/400上のZend CoreやZend Serverにしか有効でない設定だからでした。)(2)も(4)でコミットもロールバックも出来ているので、DB2 ConnectのCLI設定が優先されている模様です。(トランザクション処理を使う場合は、autocommitオプションをOFFする必要があります。)
db2_connect()関数のオプションに”i5_commit=DB2_I5_TXN_NO_COMMIT”がありますが、これを指定してもジャーナルが開始されていないと、エラーが返されました。まだ色々と試す時間が無かったので、検証しきれていませんが、今後トライしてみて、さらに実態がつかめればと思います。
ZendServer CEの環境変数
ローカルになんちゃって、IBM i(AS/400)の環境を作りたくて(個人では買えないですから...)、DB2 for WindowsとZend Sever CE 5.0 for Windowsを入れました。
そもそも、イケない感じはしていたのですが、DB2の入れた順序が悪いらしく、
の順で入れたら、変な挙動をして、一旦アンインストールと思い実行したのですが、待てど暮らせど終了せず、途中で失敗してからは、それはもう最悪の状況になりました。仕方なくレジストリを、地道に修正して、ようやく復帰しました。
今度は、バージョンの古い順に入れたら、おかしな動きはなくなりました。
DB2 V9以降は、複数のDB2を入れても、DB2_COPYという状態で、複数のインストールが出来ます。
DB2には、デフォルトDB2コピーの切り替えが可能な”デフォルトDB2選択ウィザード”([プログラム]→[IBM DB2]→[セットアップ・ツール]→[デフォルトDB2選択ウィザード])が、付属していて、システム環境変数やレジストリを書き換えてくれるようです。
無事切り替えてから、ヤレヤレとホットしたのもつかの間、PHPのアプリケーションでやりたかった、ローカルのDB2 Winの参照が出来ず、DB2 iを参照してしまいます。再起動しても何をしても結果は変わらず、システム環境変数の”PATH”も”DB2INSTANCE”もDB2 Winに変わっているのに...。
”var_dump($_SERVER)”で、環境変数を調べてみると、”PATH”がDB2 iのモジュールに通っている。プロセスブラウザで”Apacheのプロセス(httpd.exe)”を見てももちろん同じ、他のプロセスを見ると、現在のシステム環境変数になっているのにと、そんな状況。
httpd.confに何かあるのか?SetEnvとかしなきゃ駄目?→何もない..。
zend.confに何かあるのか?→何もない..。
php.iniに何か有るのか?→何もない..。
ZendEnablerConf.xml?→Coreには、なかったUTF-8でBOMがエラーで、インストール時のデフォルトでコケたぐらいのファイル。自分が認識が甘かった...。orz
ここにモロに、環境変数が記述してあります。こんな感じで...。
<Environment> <Variable name="DB2INSTANCE" value="DB2" /> <Variable name="PHP_FCGI_MAX_REQUESTS" value="10000" /> <Variable name="TEMP" value="C:\DOCUME~1\ushida\LOCALS~1\Temp" /> <Variable name="PHPRC" value="C:\Program Files\Zend\ZendServer\etc" /> <Variable name="PATH" value="...;C:\Program Files\IBM\SQLLIB\BIN;..." /> </Environment>
”DB2INSTANCE”と”PATH”を変更したら、無事ローカルのDB2 WinとDB iの切り替えが出来ました。これで同じカタログのデータベースを作成すれば、ローカルだけで開発とデモが出来そうです。(X60が頑張りすぎで、ソロソロやばいかもしれません)
あとはデータをDB2 iからDB2 Winへ簡単にレプリケーション出来ないかなぁ?
手動でエクスポート&インポートって何だか原始的だし
Zend Server CE 4.0.6 for Winを入れてみた
Zend Server CE(Community Edition)4.0.6をWindows環境に入れて、IBM i(AS/400)のDB2とゴタゴタやったので、メモしておきます。
■動作環境
- IBM i V5R4M0
- Windows XP SP3
- Zend Server CE 4.0.6 (PHP 5.2.11) for Windows
- DB2 Connect Personal Edtion V9.1 for Windows
DB2 Connectのセットアップ
- DB2ランタイムで躓き...
これは、結果論で分かったのですが、Zend Server(以下ZS)には、DB2のランタイムがバンドルされていて、ZSインストール時に導入されます。しかしランタイム版は”Unix,Linux,Windows”のDB2を対象としている様で、”DB2 for i”は対象外の様です。以下のエラーが投げられました。
---- 接続文字列 ---- 「DRIVER={IBM DB2 ODBC DRIVER};DATABASE=カタログ名;HOSTNAME=ホストIP;PORT=446;PROTOCOL=TCPIP;UID=ユーザー名;PWD=パスワード;」は接続出きません。 ---- db2_conn_errormsg()の内容 ---- [IBM][CLI Driver] SQL8002N Connect processing failed; a valid product license was not found. SQLSTATE=42968 SQLCODE=-8002
AS/400と同時提供されている”DB2 Connect Personal Edtion”を入れる必要がありました。
IBMよりCDが提供され入るので、32bit Windwos版のインストールを行ないます。
インストール自体は、フルインストールにして、特に難しいところはありません。
- カタログの作成
[スタート]→[プログラム]のDB2から、[セット・アップツール]→[構成アシスタント]を選び、カタログを構成します。
構成を追加するか?訪ねられるので”はい”を選びます。ウィザードを以下スナップショットの手順で、進めます。
ちなみにデータベース名は「WRKRDBDIREコマンド」で確認して、”*LOCAL”になっている項目です。
以下の設定が終わると、[管理ツール]の[データソース]でシステムDSNに、カタログが作成されています。
- db2cli.lstのバインド
DB2のコマンドウィンドウでcliのバインド事前にしておく必要があります。しておかないと、DB2接続で以下のエラーが発生しました。
------------------------------------------- [IBM][CLI Driver][AS] SQL0805N パッケージ "NULLID .SYSSH200" が見つかりませんでした。 SQLSTATE=51002 -------------------------------------------
■cliのバインド
※参考(https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/SSEPGG_11.1.0/com.ibm.db2.luw.qb.dbconn.doc/doc/c0005595.html)
C:\Program Files\IBM\SQLLIB\BIN> db2 connect to カタログ名 user ユーザ名 using パスワード C:\Program Files\IBM\SQLLIB\BIN> cd ../bnd ※DB2 LUWの場合は以下を実行 C:\Program Files\IBM\SQLLIB\bnd> db2 bind @db2cli.lst blocking all grant public C:\Program Files\IBM\SQLLIB\bnd> db2 bind @db2ubind.lst blocking all grant public ※IBMiの場合は以下を実行 db2 bind @ddcs400.lst blocking all grant public (実行後に”NULLID”の中にSYSオブジェクトが作成される)
DB2クライアントのエンコーディングが、ローカル環境がデフォルトになるようで、DB2関数で返される結果が、SJISになって文字化けしました。以下のコマンドをDB2のコマンドウィンドウで実行して、エンコーディングをUTF-8(CCSID 1208)にします。
db2set db2codepage=1208 ---- 確認 ---- db2set -all
Zend Server CEのセットアップ
Zend.comより「Zend Server CE 4.0.6」のWindowsインストーラより導入します。
フルインストールをしないと、IBM系のExtension(ibm_db2,pdo_ibm)はインストールされないので、フルインストールします。最後に前述で入れたDB2 Connectについて、「既知のDB2 Clientがあるよ」と言われます。
- ZendEnablerConf.xmlの修正
”C:\Program Files\Zend\ZendServer\etc\ZendEnablerConf.xml”の先頭に壊れたデータが入っています。この壊れたデータを除去します。この壊れたデータの影響で、http://localhost:89/ZendServer/ の表示が500 Internal Server Error になります。id:satoruyoshidaさんのこちらの日記で解決させて頂きました。助かりました。
新しい管理用UIは、設定変更時のリスタートもその場で出来るなど、使い易くて良い感じです。
php.iniやhttpd.confを適宜直して、実行すればWindwos Zend Serverの出来上がり?
DB2関数の接続は、カタログ接続の場合は、i5と全く同等です。「*LOCAL」を使わずカタログ名にしておけば、そのままソースを変更する事なく動作します。以下の様な感じです。
<?php /* // 非カタログ接続 $database = 'CSC2008'; $user = 'name'; $password = '****'; $hostname = '192.168.xxx.xxx'; $port = 446; // WRKRDBDIREで確認。デフォルトの*DRDAは「446」 $conn_string = "DRIVER={IBM DB2 ODBC DRIVER};DATABASE=$database;" . "HOSTNAME=$hostname;PORT=$port;PROTOCOL=TCPIP;UID=$user;PWD=$password;"; $db = db2_connect($conn_string, '', ''); */ // カタログ接続 $conn_string = "CSC2008"; //カタログ名 $db = db2_connect($conn_string, 'name', '****');
しかし、「ibm_db2.i5_dbcs_alloc=1」を設定してやっても、i5だと半角カナが切れないのに、Windowsだと半角カナが切れてしまいます。(UTF-8で3バイトで認識されて、フィールドのバイト数にあたる文字数になってしまう)これは未解決のままです。
一応ベンチマーク
以前i5でやったベンチマーク同じ条件でやったら、若干遅くなりました。
■DB2関数
time index | ex time | % | |
Start | 1266922322.48437600 | - | 0.00% |
DB2 Start select | 1266922322.48439700 | 0.000021 | 0.00% |
DB2 End select | 1266922323.98632900 | 1.501932 | 23.22% |
DB2 Start insert | 1266922323.98635800 | 0.000029 | 0.00% |
DB2 End insert | 1266922328.55809400 | 4.571736 | 70.68% |
DB2 Start update | 1266922328.55812600 | 0.000032 | 0.00% |
DB2 End update | 1266922328.95244900 | 0.394323 | 6.10% |
Stop | 1266922328.95247100 | 0.000022 | 0.00% |
total | - | 6.468095 | 100.00% |
■PDO
time index | ex time | % | |
Start | 1266922241.96875100 | - | 0.00% |
PDO Start select | 1266922241.96878100 | 0.000030 | 0.00% |
PDO End select | 1266922243.73359700 | 1.764816 | 26.03% |
PDO Start insert | 1266922243.73362300 | 0.000026 | 0.00% |
PDO End insert | 1266922248.34333000 | 4.609707 | 67.98% |
PDO Start update | 1266922248.34335400 | 0.000024 | 0.00% |
PDO End update | 1266922248.74953300 | 0.406179 | 5.99% |
Stop | 1266922248.74956500 | 0.000032 | 0.00% |
total | - | 6.780814 | 100.00% |
先日行って来た、OS協議会のお話ですと、これからAS/400にもZend Serverがプリインストールされるみたいです。